おはようございます!
九州・沖縄・山口の神社やお寺を巡り、ご朱印をレポートする「ご朱印さんぽ道」。
今回は、長崎県長崎市にある「興福寺」さんのご紹介と、ご朱印をレポートします。
(2017年の記事を修正加筆しています)。
長崎といえば「大浦天主堂」をはじめとした教会のイメージが強いという方も多いと思いますが、実は立派なお寺さんも沢山あります。
長崎市内の中でも観光地にあたるエリアで、中島川に架かる古い石橋を渡ると、個性豊かなお寺さんがズラリと並ぶ寺町の通りに入ります。
風情があって、長崎の中でも大好きな場所です。
そんな多くのお寺が立ち並ぶ寺町のなかでも、特に目を引くお寺さんが「興福寺」さん。
興福寺は、中国・明の商人が長崎に渡来し始めた頃の1620年に、中国僧の真円が航海安全を祈願して、この地に小庵をつくったことが起源とされています。
江戸時代の長崎は、中国をはじめとした国々との海外貿易で栄えた国際都市。
そこで興福寺のような唐寺が次々と建てられたそうです。
そんな興福寺さんへのアクセスはとっても便利。
JR長崎駅をはじめ、各観光地を通る路面電車を利用するのがおすすめです。
路面電車3号系統の「蛍茶屋行き」に乗り、「市民会館」の電停で下車。そこから徒歩5分ほどで興福寺に到着します。
出迎える山門からして、まるで長崎の中の“中国”
興福寺さんといえば、やはりこれ!
ド~ンとそびえる朱色の山門は、中国文化の色濃い独特な雰囲気を放っています。
山門の色から「あか寺」として市民の方から親しまれているそうです。
この山門は、長崎県指定の有形文化財となっている、大変価値の高い建造物。
長崎で第一の大きさを誇るのだとか。
1654年、日本黄檗宗の開祖・隠元禅師が長崎に滞在中に、諸国より寄せられた多大な寄進で建てられたものの、9年後の大火で全焼。
現在の山門は、1690年に日本人工匠の手で再建されていたもので、和風様式を基調としています。
さらにその後、太平洋戦争中の原爆投下により大破しましたが、再び復興されました。
山門には、隠元禅師の鮮やかな肖像画が掲げられています。
お寺の入口に人物画って、なかなかないですよね~~
そして写真では見にくいですが、山門上部の扁額は隠元禅師の書だと伝わっています。
ちなみに隠元禅師は、かの「いんげん豆」を中国から持ち込んだ方としても有名です。
山門をくぐると受付で拝観料(300円)を支払います。
その窓口に大きな花火が!?と思ったら、「長崎特撰竹線香」と書かれています。
なんとこちら、中国式のお線香だそうです!
この竹線香は興福寺さんのような唐寺への参拝や、お墓参りに用いられるもので、中国に影響を受けた長崎独自の文化なのだとか。
大きさといい、色合いといい、日本の線香とはかなり違っていて面白いですね~~
存在感のある大雄宝殿は、外も中もエキゾチック!
境内に入ると、山門に引き続き、これまた美しい大雄宝殿が現れます。
この建物は中国工匠による純粋な中国建築様式だそうです。
一般のお寺でいう本堂の位置づけですが、こちらは1632年に建立され、後に大火や暴風のために度々大破して、その度に復興されています。
しかも原爆投下の際には衝撃で建物全体が傾いたのだとか。
でもすごいのが、傾いた建物をそのまま引っ張り起こして復興したというエピソード。
その技術にも驚かされますね。
大雄宝殿の中は撮影禁止になっていますが、中に入ってお参りすることができます。
中はとにかく天井が高い。
足元は石の床なので、土足で入れます。
薄暗い空間で、ひんやりした空気。
日本のお寺とは違った感じで、とても神聖な雰囲気です。
お祀りされているのは、ご本尊の釈迦如来(大雄)。
脇立には準提(じゅんてい)観音菩薩と地蔵王菩薩がお祀りされています。
よく知っている仏さまながら、お寺によってはお名前がちょっと違っていたり、漢字が珍しかったりするものですね。
ライトアップされて浮かび上がるお姿がとても幻想的です。 内部にある古い瑠璃燈(市指定文化財)も存在感があります。
大雄宝殿は、遠くから全体を眺めても美しいし、内部の空間も美しい。
とにかくいろんな場所がフォトジェニックなので、ついつい写真を沢山撮ってしまいます。
宝殿の柱や梁には、人物や鳥獣、花が彫刻されていたり、入口の木壁は組子になっていたり、その精巧さには驚かされるばかりです。
そしてこれも珍しい模様!
氷裂式組子の丸窓が美しいですね~~
これは文字通り、氷を砕いたような文様が特徴で、釘を使わずに木を組み付ける技法でつくられています。
そして大雄宝殿の横には、船の神様や運喜の神さま、そして中国の女神である媽祖(まそ)さまや、関帝さまがお祀りされた「媽祖堂」(県指定有形文化財)もあります。
堂内には、中国の神さまがお祀りされているほか、神さまを守る赤鬼と青鬼(千里眼と順風耳)の像もありました。
これはインパクト大でしたよ~~
(こちらも中は撮影禁止なので、是非リアルでご確認くださいませ)
方丈の間では、お抹茶と季節と和菓子を楽しめる
境内のお堂に参拝が済んだら、木魚の原型となった「鱖魚(けつぎょ)」が出迎える方丈の間でお茶にしましょう。
興福寺さんの方丈の間では、お抹茶と季節の和菓子をいただけるんですよ~~
中に入ると、エキゾチックな雰囲気のある和の空間が。
ここからは、黄檗池と呼ばれる池と庭園を眺めることができます。
ここでお茶ができるなんて、本当に幸せですよね~~
ちなみに室内は畳なので、靴下は必須ですよ。
実は、日本黄檗宗の開祖であり、この興福寺にも滞在した隠元禅師は、煎茶道の開祖でもあるそう。
だからお寺でお茶をいただくというのも納得できますね。
お抹茶には季節の和菓子がついていて、それがとっても美しいんです。
派手な美しさというわけではなく、ちゃんと季節の意味がある、風情があるという意味での美しさ。
私が伺ったときは、年末仕様の温かいお菓子でした。
(以前、秋に伺った時は松茸の形をしたお菓子でしたよ)
このように季節に応じてお菓子は変わっていくそうです。
だから何度訪れても楽しめますね。
墨の力強い文字と細密な朱印が魅力
そしてお待ちかねのご朱印もいただきました。
ご朱印帳からはみ出すくらいのダイナミックな文字。
そして中国式の組子を思わせるような細密な朱印。
なんて印象的なご朱印なのでしょう!
他の方のご朱印もネットで見ましたが、タイミングによっては金印もあるようですね。
境内のソテツから恋愛成就のパワーをいただく
興福寺さんに参拝し、お茶も楽しみ、さぁ帰るぞというときに忘れてはならないのが、ソテツの木です。
境内にある樹齢400年のソテツの木は、実は縁結びのパワーツリーとして注目されているんですよ。
このソテツの木から落ちる実はハート型をしていて、「幸福の種」と呼ばれているそう。
実際に私も拾ってみたけど、本当にハート型です!!
このハート型の実を見つけることができれば、縁結びや良縁、子宝に恵まれるといわれているそう。
是非ぜひ、ソテツの木の下を見て、探してみてくださいね。
このように興福寺さんは、見どころが多くてお茶までできるので、ついつい長居したくなります。
そしてやはりどこを撮ってもフォトジェニックなのが魅力! 日本にいながら異文化を感じたい方は、お参りしてみてくださいね。
《興福寺と周辺情報》
興福寺
◆住所/長崎県長崎市寺町4-32
◆参拝時間/7:00~17:00
◆アクセス/GoogleMAP
◆参考サイト/
◆近隣のグルメスポット
料亭 一力
◆近隣の観光スポット
長崎市亀山社中記念館
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